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伯爵と妖精、オリジナルなど。コメント等ありましたらお気軽にどうぞv 対象年齢はなんとなく中学生以上となっております(´v`*)
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久しぶりに小説を書きました…!
頭からお花散らしてそうなエドガー視点のエドリディです。
これいろいろ書き足せばけっこう長い話にできるんじゃ…と思いつつ、集中力が切れたここまでで(´ワ`*)
子どもできてもいつまでたってもらぶらぶしてるといいよ!
仕様が変わったのかやり方がわからないので、続きにそのまま文章のっけます。
エドガーが通常運転でいかがわしいのでご注意ください^^


+++

 ここのところ、エドガーは文句なしにご機嫌だった。

 待望の第一子が生まれたのは三か月前。
 出産する当の本人であるリディアは「大丈夫よ」と大らかに構えていたものだが、傍から見守るしかなかったエドガーは内心ハラハラし通しだった。
 胎動を感じれば嬉しかったし、膨らんだ腹をなでながらリディアと一緒に赤ん坊に話しかける時間は今までに感じたことのない穏やかさをエドガーに与えてくれた。
 けれど体調の悪そうなリディアを見れば心配したし、どんどん大きくなっていく腹に彼女が耐え切れなくなるのではないかという不安が常に脳裏の片隅にあった。
 自分の栄養を分け与えながら命を育んでいるリディアにつまらない不安を見せてはいけないと、表面上はなんでもないふうを装っていたが。
 いざ出産が無事にすんだと知らされた時に感じた安堵の大きさに、自分がどれほど気を張っていたかを知って思わず苦笑を漏らしたほどだ。
 生まれたばかりのころは両手で包めるほどの大きさだったのに、この三か月で片腕で抱えるほどの大きさになった。
 首も座り、表情も出てきてだいぶ人間らしくなったように思う。赤ん坊の成長の速さには驚くばかりで、どれほど眺めていても飽きないくらいには自分の子供をいとしいと思う。
「エドガー、ご機嫌ね」
「うん。見てよリディア、髪が少し伸びてきて気づいたんだけど、少し癖があるみたいなんだ。君に似たのかな」
「あら本当。あなたの髪色で、あたしの髪質ね」
「ちゃんと片方ずつから貰うなんてちゃっかりしてる。それにしてもユリシスの顔で生まれてこなくてよかったよ、本当に。……っと、きみには違う風に見えてたんだっけ?」
「ん、どうかしら。実はもうどんなふうに見えてたか思い出せなくて……」
 首をかしげるリディアを引き寄せて、こめかみに頬をすりよせる。
「そうだね。アルヴィンはアルヴィンとして生まれてきたんだから、以前のことを言うのはナンセンスだ」
「でも、あたしもユリシスに似てなくてよかったと思うわ。もし似てたらあなた、こんなに手放しで可愛がってくれなかったでしょ」
「僕たちの子どもなのに、可愛がらないわけないだろう?」
 そううそぶいてみるが、リディアの言ったことが正解だろうと思う。
 今はいいにしても、長じてユリシスに似た我が子がリディアに甘えるのを見たら、大人げなくも遠慮なく引きはがしてしまいそうだ。
 寄り添いながら軽口をたたいていたら、スヤスヤ寝ていたアルヴィンが「うー」と不明瞭な声を上げてむずがりだした。目はまだ開いていないので、眠いのだろうと思うが。
「そろそろミルクの時間よね」
 なにかな、と考えているエドガーの隣で、リディアが迷いなくアルヴィンに手を伸ばす。
 始めは危なっかしかった手つきも、三か月毎日抱き上げていればもう慣れたもので、器用に腕で重たい頭を支えながらベビーベッドから抱き上げた。
 ふかふかの胸に抱きしめられたアルヴィンはそれだけでおおかたの機嫌を直し、小さな手で母親の柔らかさを確かめている。
 コルセットで締め付けていないリディアの胸はさぞ気持ちがいいだろう。その柔らかさを知っているエドガーは、アルヴィンを抱いてあやすリディアを見ながら「いいなあ」と呟いた。
「抱っこしたいの?」
「うーん、どちらかというとされたいというか」
 ソファに座って授乳の準備をするリディアに柔らかな布巾を差し出しながら、エドガーは無邪気に笑って見せた。
「でもやっぱり、抱っこしたいかな。あちこち抱きしめてキスした方が、柔らかくとろけたきみを堪能できる」
 一瞬きょとんとした後に、見る間に顔を赤くするリディアの反応がかわいすぎる。
「なんの、話を、してるのよ!」
「理解が早くなって嬉しい限りだよ。ね、リディア。これから出かけなくちゃいけないんだけど、日付が変わる前には帰ってくるから、待っててくれる?」
「え、だって、昨日も……」
「お腹が膨らんでからと、出産した後。僕がどれだけ我慢してたと思うの」
「そ……そんなこと、一言も言わなかったじゃない」
「きみの体が心配だったからね」
 本心からそう言うと、リディアは照れ隠しに吊り上げていた眉を垂らして、困ったようにエドガーを見た。
 嫌ではないけれど、頷いてしまうのは恥ずかしい。そんな表情だ。
 照れ屋で愛らしい奥さんに口づけして、「待っててくれる?」ともう一度囁く。
 ぱちぱちと瞬きをしながら視線を逸らしたリディアは、じっと見ているエドガーがやっとわかるほど小さくこくりと頷いたのだった。

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