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「祈りよ~」のネタバレを含むのでご注意ください!
伯妖がもうすぐ終わるということを知ってしばらくショックでぼんやりしていたのですが、ふつふつと今「ブリジャートン子爵家」シリーズにはまっています=3
ヒストリカルなロマンス小説(つまりハーレクイン)なのですが、登場人物が魅力的で、ストーリーもじれじれどきどききゅんきゅんするお話ばかりで、かなりいい感じです!
伯妖お好きな方でロマンス小説に耐性がある方はぜひぜひ。ぜひ!(布教中 笑
以下は相変わらずなエドリディです(´ワ`*)
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サロンの扉の前に立って、中からリディアとアルヴィンの声が聞こえてくることに気付くと、エドガーは一度深呼吸した。
以前リディアのベッドに腰掛けた二人が抱き合っているのを見た時は、思わず取り乱しかけてしまった。
アルヴィンは見かけ通りの人物じゃない。なにを見ても驚くまい、と心に決めて、扉を開く。
目に飛び込んできた光景は、想像よりは刺激の少ないものだった。
が、リディアのほっそりとした手が愛おしげに自分ではない男の髪を撫でているのを見て、気をつけていたのに口をへの字に曲げてしまう。
「エドガー」
彼に気付いたリディアが、満面の笑みを向けてくれる。それだけで少し機嫌を直して、リディアとアルヴィンが座っているソファの横にあるひとりがけの椅子に座った。
リディアだけでなく、アルヴィンも屈託のない、満面の笑みを浮かべてエドガーの訪れを喜んでいる。
他愛ない話に花を咲かせながら、エドガーも無理せずくつろいだ笑みで過ごせたが、灰紫の瞳はずっとリディアとアルヴィンの一挙一足から目を離さなかった。
「今夜はふたりきりで過ごそう」
もうそろそろベッドに入る時間という時に、リディアの寝室に入ってきたエドガーはとうとつにそう言い、扉の鍵をかけた。
「ええと……どうしたの?」
身重のリディアを気遣って、エドガーは以前のようにベッドをともにするごとに彼女を求めてくることはなくなった。
それでも、頻度がゼロになったわけではないから、今日はそういうことをするのかしらとリディアはほんのり頬を染める。
鏡台の前に座っていたリディアを、寝間着姿に相応しくないほど優雅にエスコートし、寝台へと導く。
ベッドの縁に座らせて、エドガーはその前に跪いた。柔らかな太ももに頭を乗せて、ちらりとリディアを見上げる。
「頼みがあるんだ」
「なあに?」
「撫でてくれ」
もそもそと、エドガーが自分の足に額をすりつけるのを感じる。一瞬なにを言われたのかわからなかったリディアは、「はあ?」と間抜けな声を上げた。
それに対して、要求をくり返すエドガーの言葉は端的で、リディアは戸惑う。
「どうしたの?」
問いかけながらも、そっと細い金糸に指をくぐらせる。
さらさら、さらさらと指の間を通り抜けていく感触はとても気持ちがいい。
しばらく要望どおりに髪を梳いて、エドガーの眦が緩んだのをとらえて、リディアも口元を綻ばせた。
「エドガーの髪はまっすぐね。アルヴィンは少し癖があるのよ。猫っ毛っていうのかしら、あなたよりも細くて、少し色が薄いみたい」
「リディア」
唐突に聞こえてきた不満そうな声に、リディアはぴたりと動きを止める。
見上げてくるエドガーの眉は寄っていて、拗ねたように口元が引き締まっていた。
リディアは何度か瞬きをしてその表情を見守ってから、呆れたように声を上げる。
「まだやきもち妬いてるの?」
「ずっと妬いてるよ。仕方ないじゃないか、妬けるんだから」
「あの子はあなたの子どもでしょ」
「父親と男の子は、母親を取り合うものだろ?」
実際、腹の中の子の性別はわからないのだけれど、あの顔でいる内は男の子にしか見えないのだから仕方ない。子どものようなむくれ顔で身を起こし、リディアの隣に腰掛ける。
肩を引き寄せられて寄りかかりながら、彼女は小さく息をついた。
「それでなくたって、見かけがアレなんだから……」
まだぶつぶつ言っているエドガーに、今度はリディアが唇を尖らせた。
身体を離して、彼の腕をぺしんと叩く。
「ユリシスには見えないわよ」
「別人だってことはわかってるよ。ユリシスの顔だけど、彼の弟かなって思えるくらいには中身が違うからね」
「あなたとあたしの子よ」
ふくれっ面になっているリディアに眼差しを緩めて、エドガーは優しい手つきで柔らかな頬を撫でた。
「せめてもう少し小さな姿なら、こんなに気にすることもないんだけどな」
その言葉に、リディアは考える素振りを見せた。少し首を傾げる。
「あたしには、とても幼い子どもに見えるわ。生まれたての赤ちゃんにしては大きいけど、それでもまだ子どもよ」
「そうなの?」
「ええ。あなたも同じように見てるわけじゃなかったのね」
「僕にはユリシスの顔をした無邪気な少年に見えるよ」
そうよね、と頷く。彼女の肩から力が抜けたのを見て、エドガーはもう一度引き寄せた。
緩く抱きしめて、一緒にベッドに横たわる。
「君の目に、アルヴィンはどう見えてるの?」
「可愛い男の子よ」
彼女の眼差しが一気に和らいだ。
「あなたに似てるの」
それを聞いて、エドガーの目元も温かに緩む。
「大きくなるのが楽しみ。きっと美しく成長するわよ。目にするたび、嬉しくなるくらい」
彼が大きく成長した姿を果たしてみられるのかどうか、ということはリディアもエドガーも口に出さなかった。
彼女の楽しい夢想にのっかって、エドガーもいたずらげな笑みを浮かべる。
「僕のその楽しみを味わいたいな。きみに似た女の子が、どんどん美しく成長していく姿が見れたら最高だ」
「あたしに似てたら、美しくはならないと思うけど」
「まだそんなこと言ってるの?」
くすくすと笑うエドガーに、リディアは純粋に不思議そうな顔を向ける。
この鈍さはきっとずっと直らないと思うと、ますます彼女が愛しくなる。
「僕に似た女の子でも楽しそうだけど。ああでも、君に似た男の子は困るな。すごく困る気がする」
「どうして?」
「叱れなさそうだ」
一瞬ぽかんとした後、なにを想像したのか、リディアが楽しそうに笑い出した。
彼女がそうやって笑ってくれるのが嬉しくて、エドガーも笑いながら内緒話をするように彼女の耳元に唇を近づける。
「実はねリディア、アルヴィンを見てると自分の子どもの頃を思い出すんだよね。鬼のように怒っていた父と同じ顔になってしまいそうだ」
「もう、笑わせないで、エドガー」
目の端に涙をためて、ひとしきり笑ったリディアが息をつく。
ほんの一瞬、小さな間が落ちて、彼女がしみじみと自分の腹部に目をやった。
「元気に産まれてほしいわ」
「きみも」
思わず口にしてしまった言葉に、リディアが顔を上げた。輝く金緑の奥にある、なんとも形容しがたい深い色に、エドガーは喉を掴まれたような心地になる。
なにも言えず、リディアにもなにも言わせたくなくて、彼は彼女を抱きしめた。
自分の胸に顔を埋めて、表情が見えなくなったリディアに向かって、呟くように名前を呼ぶ。
「撫でてくれないかな」
耳に密やかに届いた息をつく音は、笑い声だっただろうか。
そうであればいいと思いながら、エドガーは柔らかなキャラメル色に額を寄せた。
一樹さんの伯妖作品すごくだいすきです!
特に教師と生徒パロとかだいすきです。
原作が終わってしまうとのことですごく淋しいのですが、一樹さんの作品を読んで生きていきたいです(笑)
楽しみにしてます、頑張って下さい!!
長々と失礼しました。
こんなに長くはまった作品は初めてで、それが完結しちゃうという現実にまだちょっとうろたえておりますが……(笑 二次創作は二次創作として、熱が冷めるまでは好き勝手書いていきたいと思っています=3
また気が向いた時に覗いてくださると嬉しいですv コメントをありがとうございましたv
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