伯爵と妖精、オリジナルなど。コメント等ありましたらお気軽にどうぞv
対象年齢はなんとなく中学生以上となっております(´v`*)
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ここはちーさやで! と思っていたのですが、空色ネタが降ってこなかったのでサンホラに走りました←
メルエリの小さい頃の話になります^^*
あと、pixivに伯妖の縦長漫画を投下したので、よろしかったらご覧ください><v
pixiv会員登録してないよでも見たいよ、という方がみえましたら、ご一報いただければ作品部屋にアップするのを急ぎます。
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メルエリの小さい頃の話になります^^*
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見える、ということがどういうことなのか、彼にはよくわからなかった。
わからなくても、とくに問題はなかった。
彼の世界は彼が触れられる範囲。足を使って、手を使って、あちこちに触れれば触れるほど、彼の世界は広がっていく。
森の中、母親と二人きりの暮らしの中では、それで十分だったのだ。
―――それが一変するとは、思いもよらなかった。
世界は、彼が想像もできないほど奥行き深く、触れられないほど遠く、本当に遠くまで、途切れることなく続いている。
視力を与えられた彼は、家を飛び出し、森へと走り出た。
どこまでも、どこまでも続く世界。
慣れた感触が湛えていた色、色、色。
鮮やかな色彩に頭がくらくらしてくる。息を切らせて立ち止まり、なんとはなしに振り仰いだ先に見た“色”に、彼は瞠目した。
圧倒的な光景だった。どこまでも広く、広く、続いていて、遠いのか近いのか混乱してしまいそうになるほど、遙か彼方へ広がる“青”。
ずっと見惚れていたけかったけれど、あまりの眩しさに目の奥が痛んできた。
目が見えるようになったとはいえ、生来彼の瞳は眩しいものを見ていられないつくりになっているらしい。
最後にもう一度だけ振り仰ぎ、走ってきた道程を、今度はゆっくりと歩いていった。
その少女と逢えるのは、月明かりのある夜だけだった。
彼女はお屋敷に住んでおり、よくはわからないけれど、自由に外に出ることはできないらしい。
森の広さに驚き、歩きにくそうなスカート姿で走り出した時には肝を冷やした。
案の定、すぐに転んでしまったけれど、彼女は痛みも何も感じていないように、彼を振り返って笑ったのだ。
「すごい、すごいわ、メル! わたし今、森にいるの。外にいるの!」
はしゃいで、すごい、すごいと連呼する少女を立たせてやり、しっかりと手を握る。
自分が初めて空を見たときのような感動を、少女が感じているのだとわかったから、彼も嬉しくなって破顔した。
「森には綺麗な花が咲いているところがいっぱいあるんだ。でも、夜の森は危ないから、僕の手を離さないで」
「うん!」
歩く時は手を繋ぎ、他愛のないお喋りに花を咲かせる。幾度かくり返した短い逢瀬は、とてもとても楽しい時間だった。
月明かりのかそけない光の中でも、少女の容姿が整って可愛らしいことは十分にわかった。
けれどやはり薄暗い中では、少女の瞳がどれほどいきいきと輝いているか、ふっくらした頬が薔薇色に染まっているか、そんなことまではわからない。
自分の目に太陽の光は強すぎるけれど、それでも一度、日の光の下で彼女を見てみたいと思ってしまう。
「ねえメル、メルの髪はお月さまの色みたいね」
「え?」
「ここから見ると、お月さまが二つあるみたい」
ふふ、と笑う少女を前にして、彼はひとつにくくった自分の髪をまじまじと見る。
月のような金色ではないけれど、月光に透かすと、確かに似た色を湛えているように見える。
「エリーゼの髪も、月みたいだけど」
「ううん、メルの方がお月さまよ!」
「じゃあお日様? 金色、だよね?」
うーん、と少女が自分の髪をつまんで眺める。お日様みたいに光ってないけど、呟いて、ぽんと手を打った。
「あ、でもわたし、目は昼間のお空の色なのよ」
知ってた? と首を傾げる少女に、彼は曖昧に首を振る。
とくとく、と騒ぎ出した心臓に、落ち着かない思いになる。
微笑む少女の顔を見つめながら、初めて空を見た時の、泣きたくなるような焦燥感を思い出す。
覗き込むように顔を近づけると、少女がびっくりしたように身じろいだ。
手を握って押しとどめて、丸くぱっちりと見開いた、少女の空をじっと見つめる。
「こうやって見てたら、そのうち吸い込まれちゃうのかな」
「やだわメルったら、お空もわたしも、メルを食べちゃったりしないわ」
びっくりする少女に向かって、彼は微笑む。
きしきしと揺れる心がなにを意味しているのかはよくわからない。
けれど、生涯知ることのなかった“初恋”の、それは確かに兆しだった。
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Re:無題
ご一報くださってありがとうございました!
作品部屋にもアップしましたので、よろしければご覧ください^^*
作品部屋にもアップしましたので、よろしければご覧ください^^*
Re:無題
コメントくださってありがとうございます!
作品部屋は、ブログ右列の「Profile」下に赤字でちまっとリンクが貼ってあります^^
見にくくてすみません><
作品部屋は、ブログ右列の「Profile」下に赤字でちまっとリンクが貼ってあります^^
見にくくてすみません><
Re:無題
おまけページ、ずっと書けない状態のまま放置してあったので、更新打ち止めにさせていただきました><
お待ちいただいたのにすみません。コメントをありがとうございました。
お待ちいただいたのにすみません。コメントをありがとうございました。
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