伯爵と妖精、オリジナルなど。コメント等ありましたらお気軽にどうぞv
対象年齢はなんとなく中学生以上となっております(´v`*)
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教師と生徒パロです^^* お互いにお互いが、一番自分の思い通りにならない相手。
作品部屋の「版籍」→「伯爵と妖精」→「年末年始企画」の中にある、「朝焼けまで、あと一時間」の直後くらいのお話です。
前後の流れ的にはさっぱりなお話ですが、雰囲気でお楽しみください(´ワ`*)
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作品部屋の「版籍」→「伯爵と妖精」→「年末年始企画」の中にある、「朝焼けまで、あと一時間」の直後くらいのお話です。
前後の流れ的にはさっぱりなお話ですが、雰囲気でお楽しみください(´ワ`*)
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何だか肌寒い。そう思いながら目を覚ましたら、見慣れないベッドの上で一人きりで横たわっていた。
のろのろと手足を伸ばしても端まで届かないほどの広いベッドにも、そのベッドから見上げた室内にも馴染みがなくて、リディアは寝ぼけ眼で束の間眉をひそめる。
けれど、ここはどこか、自分がどういう状況にいるのか、ということを考えるのが億劫なほど眠気が強い。
みるみるうちに目蓋が落ちていく。起き上がろうとするのは諦めて、欲求に従ってもう一眠りしようと微妙に体勢を変えたところで、身体の奥が鈍く痛んだ。
その痛みに顔をしかめ、息をついた瞬間、昨夜の出来事が鮮やかによみがえってきて目を見開いた。
休みたがっている身体にむち打って慌てて身を起こし、見下ろした先に見えた自分の裸身にひどく狼狽える。
心臓がばくばく脈打っていて、うまく身体が動かせない。震える手で上掛けを細い肢体に引き寄せたところで、部屋にひとつしかない扉がカチャリと音を立てて開いた。
ここに入ってくる人物なんて一人しかいない。
リディアは彼の姿を視界に入れる前に、上掛けを頭から被ってベッドに身を沈めた。
逃げられるわけもないのに、逃げる術を頭の中で探し回って、熱が出そうになる。
視界が遮られた中、聴覚だけがやけに鋭敏になり、わずかな衣擦れの音でエドガーが近づいてくる様子を明確に察知してしまう。
「リディア?」
声がちょっと笑っている。彼から見たら、広いベッドの真ん中にこんもりとしたシーツの山ができていて、なんともおかしな景色なのだろう。
くい、と上掛けが引っ張られて、慌てて裾をぎゅっと握りしめる。
ふ、と笑う音がして、ベッドが少し傾いた。リディアのすぐ傍、縁に腰掛けた彼は、彼女の頭がある位置あたりを、ぽんぽんと撫でてくる。
「出ておいでよ、リディア」
そんなことを言われても、素直に顔を出せるわけがない。むしろ彼には、部屋から出て行ってほしい。
頭を冷やして、服を整えてからでないと、とてもではないが顔を合わせられない。
「10秒で出てこなかったら、はぎとるからね」
柔らかな言葉でさらりと言われて、一瞬思考が停止する。そのあと、変わらないトーンで「じゅう、きゅう、はち、……」と数え出すのを聞いて、嘘でしょっと叫びたくなった。
けれどエドガーのことだ。リディアをからかう意図を十二分に含んでいたとしても、彼女の心情を慮って有言実行をやめる、ということはしないだろう。
うろたえて戸惑っている間に、あっさりと10秒が過ぎてしまった。上掛けを握りしめた拳はこれ以上ないほど固く力を入れていたけれど、「めくるよ」と一声かけられた後で、容赦なく上掛けがはぎ取られた。
しかも、足下から。
「っっっ、きゃあああっ!」
「あ、よかった、元気だね」
「なっ、なっ、なにするのよ!」
幸い丸見えになったのは一瞬で、リディアがエドガーに顔を向けた後は、彼は上掛けを返してくれた。
ひったくるように自分の身体に引き寄せて、いつもとなんら変わった様子のないエドガーを睨みつける。
「あっ、あのねっ、あなたにはデリカシーとか、そういうものはないのっ?」
「だって、顔が見たかったんだ。でも無理に引っ張ったら、きみの手を痛めてしまうかもしれないだろ? 大丈夫だよ、きみのおしりは可愛いんだから」
「エドガー!!」
特大の雷を落としても、彼はにやにやと笑うばかりだ。
顔を真っ赤にして、涙まで零れてきそうな様子で睨みつけてくるリディアを前に、まったく怯む様子を見せない。
お守りのように、上掛けを胸のあたりでぎゅうっと握りしめている彼女に手が伸ばされる。大きな手のひらは、彼のふざけた態度とは裏腹に、とても慎重にリディアの頬を撫でた。
「いいじゃないか。もう名実共に恋人同士だ。身も心も捧げ合ったもの同士だろ?」
「……心まで渡した覚えはないわ」
「きみが、心を許さない相手に身体を許すとは思えないな」
頬を、耳元を、首筋を撫でる手つきが心地いい。それを意識の片隅に追いやって、リディアはきゅっと唇を噛む。
「そ、それにあなたにとっては、身体を許すなんて、別に特別なことじゃないんでしょ?」
「そういう可愛くないことをいう唇は、ふさいでしまおうか」
そう言って、戯れに端正な顔を近づけるものだから、リディアは怯んで目を瞑ってしまう。
身を固くした彼女に口づけが落ちた。額に触れて離れていったエドガーの薄い唇を、リディアはかろうじて眉をひそめながら目で追ってしまう。
「きみはどうしようもないくらい、意地っ張りだね」
そんなことない。
その言葉がなぜか出てこずに、唇をきゅっと閉じる。
かわいげのない自分に嫌気がさす。彼の前で、可愛くありたいと思ってしまう自分がほんの少しでもいることが、なんだかとても情けない。
エドガーはしばらくリディアの髪を手慰みのように弄っていたが、ふと思いついたように「そうだなあ」と口を開いた。
「せっかく許してもらった身体だし、もう少し堪能させてもらおうかな」
え、と思う間もなく、柔らかなベッドの上に引き倒された。
スプリングが常にも増して大きく軋んだのは、リディアと一緒にエドガーの体重もベッドにかかったからだ。
押し倒されてた格好で、真上にいるエドガーを、ぽかんと口を開けたままで見上げる。
両腕をとられて、シーツが落ちる。突き上げた衝撃と羞恥のままに、怒鳴りつけようとしたのだけれど。
「―――」
間近にある彼の両眼が、その灰紫の瞳が、とてもとても柔らかく、慈しむように細められていることに気づいて、どうしようもなくなってしまった。
心を許した覚えはない。確かにそうだ。そうなのだけれど。
こんなに優しい、きれいな瞳に見つめられて、心を鎧っていられるほど、リディアの守りは堅くない。
心の奥から、今まで必死に目を逸らしていたなにかが溢れ出しそうになって、リディアは顔を背けた。
様子の違う彼女に気づいて、エドガーが驚いた声を上げる。
解放された両手で顔を覆う。「見ないで」、と呟いて、微動だにできなくなる。
上掛けで丁寧に身体をくるまれ、その上から彼の腕が自分を包む。
広い胸に顔を押しつけて、背中をやんわりと撫でられるのを感じながら、ない交ぜになった感情を吐き出すように、静かに静かに涙を零した。
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感動しました
お久しぶりです!
教師と生徒パロ、このころにはもうリディアはすっかりエドガーを受け入れていたのかと思ってましたが、いろんな思いがあったんですね。
それでもリディアの思わぬ反応にエドガーよかったねと感動しました。
それにしても下からめくるなんて、さすがエドガーですね(笑)
素敵なお話をありがとうございました。
教師と生徒パロ、このころにはもうリディアはすっかりエドガーを受け入れていたのかと思ってましたが、いろんな思いがあったんですね。
それでもリディアの思わぬ反応にエドガーよかったねと感動しました。
それにしても下からめくるなんて、さすがエドガーですね(笑)
素敵なお話をありがとうございました。
ありがとうございます!
そしてたいへん申し訳ありません……返信したと思って安心してたのに、反映されていなかったようですorz
二ヶ月近くも放置、という状態になってしまい、たいへん失礼しました…!!><
教師と生徒パロのエドリディはエドガーもリディアもツン成分が(私にしては)多めなので、なんだか書いていて新鮮です(´ワ`*)
この話で一番書きたかったのは、シーツを遠慮なく(足下から 笑)めくるエドガーと、リディアの涙にひるまないエドガーでした。反応してくださってありがとうございます!(笑
コメントをありがとうございました! 亀更新ですが、またお暇な時にでも覗きに来てやってください><
二ヶ月近くも放置、という状態になってしまい、たいへん失礼しました…!!><
教師と生徒パロのエドリディはエドガーもリディアもツン成分が(私にしては)多めなので、なんだか書いていて新鮮です(´ワ`*)
この話で一番書きたかったのは、シーツを遠慮なく(足下から 笑)めくるエドガーと、リディアの涙にひるまないエドガーでした。反応してくださってありがとうございます!(笑
コメントをありがとうございました! 亀更新ですが、またお暇な時にでも覗きに来てやってください><
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