伯爵と妖精、オリジナルなど。コメント等ありましたらお気軽にどうぞv
対象年齢はなんとなく中学生以上となっております(´v`*)
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短い。前回の後にくっつけようかと思いましたが、それはそれで長すぎるので、前のやつの切れっ端みたいな感じですがこちらに><
説明が全然足りていない気がしますが、プロローグはこんな感じです^^
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説明が全然足りていない気がしますが、プロローグはこんな感じです^^
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「ミス・リディア・カールトン?」
図書館が遠ざかり、ベンソンが追ってくる様子もないとわかってほっとしたところで滑らかに名前を紡がれてびっくりする。
リディアをしげしげと眺めている男性に、いまさらながらにむくむくと警戒心がわき上がる。
きみがあの、ミス・カールトン? とでも言いたげな様子に見えるのは、はたしてリディアの被害妄想だろうか。
「……あの、ご迷惑をおかけしました。このあたりで下ろしていただければ結構ですので」
「家まで送っていってあげるよ。それとも、学校までがいいかな? コレジエイトならここからそんなにかからない」
「なんで、学校のこと」
不信を滲ませるリディアに、彼はちらりと笑う。
「あそこの理事長にはお世話になってるんだ。きみのそれは校章だろ? 特進Aクラスの、文系だね」
あ、と思って自分の襟元を見る。
休日に学校に行くときには制服を着る必要はないけれど、代わりに校章を身分証として身につけて置かなくてはいけない。私服の襟につけたままだったピンバッチを、リディアはすごすごとした気分で外した。
俯いた視線の先に、す、と名刺が差し出される。
「自己紹介が遅れて失礼。僕は、エドガー・J・C・アシェンバート。エドガーと呼んでくれ」
「……アシェンバート?」
「僕のこと、なにか聞いている?」
問いかけながら、答えを知っているかのように彼は笑う。リディアはエドガーの顔をまじまじと見て、絶句してしまった。
「おとぎ話だったんじゃ……」
「確かにおとぎ話みたいな話だね。でもリディア、きみはおとぎ話の住人の姿が見えるんだろ?」
さらりと言われて、リディアは目を見開く。
ずっと人目から隠してきたことをあっさりと暴き、なんでもないことのように微笑んでいるエドガーの姿に、彼女はひどく動揺した。リディアの特殊さは、いつだって彼女から人を遠ざけ、ヒソヒソと遠巻きに嘲られるものでしかなかったから。
「あなたは、」
「エドガー、だよ。リディア」
「……エドガー、は、あたしの母さまを知ってるの?」
アシェンバート一族のことをリディアに教えてくれたのは、今はもう亡い彼女の母親だ。おとぎ話のようなエピソードも、おとぎ話のような約束も、リディアの小さいときに繰り返し寝物語で聞かせてくれた。
「アウローラ……ミセス・カールトンと直接の面識はないんだ。ただ、僕の仲間にセルキーがいてね、よく話を聞いていた」
リディア、とやけに優しく名前を呼ばれる。
その甘い声と不穏な予感に、リディアは鼓動の音が早くなっていくのを自覚する。
「セルキー族に誓った約束を覚えてる?」
「約束……」
馬鹿みたいに繰り返すことしかできないリディアの手を、エドガーが恭しくとった。手袋越しだったからか、初対面の相手に手を握られているにもかかわらず、咄嗟に拒絶するのを忘れてしまう。
「神秘的な瞳のお嬢さん。僕の妃になってくれ」
そうして手の甲に落とされた口づけに、リディアは引きつった悲鳴を上げた。
図書館が遠ざかり、ベンソンが追ってくる様子もないとわかってほっとしたところで滑らかに名前を紡がれてびっくりする。
リディアをしげしげと眺めている男性に、いまさらながらにむくむくと警戒心がわき上がる。
きみがあの、ミス・カールトン? とでも言いたげな様子に見えるのは、はたしてリディアの被害妄想だろうか。
「……あの、ご迷惑をおかけしました。このあたりで下ろしていただければ結構ですので」
「家まで送っていってあげるよ。それとも、学校までがいいかな? コレジエイトならここからそんなにかからない」
「なんで、学校のこと」
不信を滲ませるリディアに、彼はちらりと笑う。
「あそこの理事長にはお世話になってるんだ。きみのそれは校章だろ? 特進Aクラスの、文系だね」
あ、と思って自分の襟元を見る。
休日に学校に行くときには制服を着る必要はないけれど、代わりに校章を身分証として身につけて置かなくてはいけない。私服の襟につけたままだったピンバッチを、リディアはすごすごとした気分で外した。
俯いた視線の先に、す、と名刺が差し出される。
「自己紹介が遅れて失礼。僕は、エドガー・J・C・アシェンバート。エドガーと呼んでくれ」
「……アシェンバート?」
「僕のこと、なにか聞いている?」
問いかけながら、答えを知っているかのように彼は笑う。リディアはエドガーの顔をまじまじと見て、絶句してしまった。
「おとぎ話だったんじゃ……」
「確かにおとぎ話みたいな話だね。でもリディア、きみはおとぎ話の住人の姿が見えるんだろ?」
さらりと言われて、リディアは目を見開く。
ずっと人目から隠してきたことをあっさりと暴き、なんでもないことのように微笑んでいるエドガーの姿に、彼女はひどく動揺した。リディアの特殊さは、いつだって彼女から人を遠ざけ、ヒソヒソと遠巻きに嘲られるものでしかなかったから。
「あなたは、」
「エドガー、だよ。リディア」
「……エドガー、は、あたしの母さまを知ってるの?」
アシェンバート一族のことをリディアに教えてくれたのは、今はもう亡い彼女の母親だ。おとぎ話のようなエピソードも、おとぎ話のような約束も、リディアの小さいときに繰り返し寝物語で聞かせてくれた。
「アウローラ……ミセス・カールトンと直接の面識はないんだ。ただ、僕の仲間にセルキーがいてね、よく話を聞いていた」
リディア、とやけに優しく名前を呼ばれる。
その甘い声と不穏な予感に、リディアは鼓動の音が早くなっていくのを自覚する。
「セルキー族に誓った約束を覚えてる?」
「約束……」
馬鹿みたいに繰り返すことしかできないリディアの手を、エドガーが恭しくとった。手袋越しだったからか、初対面の相手に手を握られているにもかかわらず、咄嗟に拒絶するのを忘れてしまう。
「神秘的な瞳のお嬢さん。僕の妃になってくれ」
そうして手の甲に落とされた口づけに、リディアは引きつった悲鳴を上げた。
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